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バスの座席を譲ることと私の強み

ベルビューに大分慣れてきたからか、自分の考え方の軸のようなものも見えてきました。

バスの座席を譲るという行為一つ取ってもそうです。

東京の田舎で生活していた時は、バスや電車で座席を譲るべき時というのは、大抵相手の反応や仕草、周囲の反応、私の相手との距離によって私が譲るべきなのだとそれとなく分かりました。しかし、ベルビューのバスに乗り続けて5ヶ月、いかに東京の環境に適応していたのかを実感しました。

 

ベルビューでは、自主性の方が、周囲の反応よりも優先されると強く感じます。

 

例えば、車いすの方がバスに乗る瞬間です。バス前方の座席片側4席を全てたおし、車いすが入る場所を確保します。左右どちらもたおれる仕組みになっているのですが、両側ともに3,4人づつ座っている場合、車いすがバスへ入ってくる際どちら側の誰が先に立って場所を譲るのか、ということになります。

私はこの時、「細身の人が座っていた方が、車いすの移動がしやすいし、車いすが入るだけの場所もより広く取れるから、大柄な人が移動した方がよい。」と考えました。しかし実際には、大柄な人も細身な人も、2、3人が腰を浮かして席を離れました。

この出来事は、日本であれば通じる「常識」がこちらでは通用しないこと、その「常識」よりもこちらでは「主体性」が重んじられるという考えを実感した出来事でした。

「郷に入りては郷に従え」と言われます。主体的に自分から座席を譲るという、日本の「常識」とは少し離れた行動ができるようになりたいと強く感じました。その一方で、自分は誰が何をすれば最も物事が効率的に運ぶのかを行動するよりも先に考える傾向にあることを理解し、その強みは持ち続けたいと思いました。